黄砂とPM2.5
黄砂とPM2.5、どちらも天気予報やニュースで耳にする機会が多くなってきました。
どちらも、人体に影響する健康被害があると言われているので特に注意が必要です。
<黄砂とPM2.5の特徴>
黄砂:中国西部のゴビ砂漠、タクラマカン砂漠、黄土高原などから土壌や鉱物粒子が飛んでくる現象。
ほぼ年間を通して日本各地で観測されますが、特に毎年2~5月の春先に飛来します。
PM2.5:大気中に浮遊している直径が2.5μm(1μm=0.001mm)以下の非常に小さな粒子です。例として、ボイラーや焼却炉などから発生する煤煙、コークス炉や鉱物堆積場などから発生する粉塵などが挙げられます。
<黄砂による被害>
黄砂の健康被害としては、目、鼻、皮膚などのアレルギー症状のほか、気管支喘息や気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患との関連が指摘されています。また、黄砂の飛来と心筋梗塞による入院や発症増加との関連を示す報告もあります。心筋梗塞など循環器疾患につながるメカニズムはまだ詳細にわかってはいませんが、黄砂による健康被害は幅広い可能性があるのです。
<PM2.5による被害>
PM2.5の健康被害も、黄砂と同じように呼吸器系への影響が目立ちます。PM2.5の濃度が上昇すると気管支喘息や気管支炎などの呼吸器症状が表れる、または呼吸機能の変化が起きる可能性があるのです。また、肺がんのリスク上昇や、循環器への影響も懸念されています。特に、子供や高齢者、呼吸器系または循環器系の病気を持っている人は、PM2.5の濃度上昇に気をつける必要があるでしょう。
<健康被害の対策>
屋外
黄砂の飛来情報が出たときやPM2.5の濃度が上昇したときは、その吸入を減らすため、屋外での長時間の激しい運動はできるだけ減らしましょう。例えば、マラソンなどの呼吸器への過度な負担が長時間続くような運動は、避けたほうが無難です。
また、外出時のマスク着用も忘れないようにしてください。不織布マスクでも一定の効果はありますが、気になる方は防塵マスクをつけるのがベストです。
屋内
窓を開けると、黄砂やPM2.5が屋内に侵入します。黄砂やPM2.5が多い日は、窓の開閉や換気は必要最小限にして、外気の侵入を少なくしましょう。
空気清浄機の使用は、黄砂とPM2.5を除去するために効果的です。黄砂やPM2.5を取り除くには、0.3マイクロメートル以上の粒子を捕集できる「HEPAフィルター」を使った空気清浄機を用いるのがおすすめです。
HEPAフィルターは、元々精密機器や半導体製造工場のクリーンルームの換気装置用に開発されたフィルターですから、黄砂やPM2.5などの捕集に向いています。
<最後に>
黄砂もPM2.5も、人体に健康被害などの影響をもたらすおそれがあります。特に、春先には日本にも飛来し、屋内にも入り込んでくる確率が高くなります。ウェブサイトなどで気象情報をチェックすることに加えて、室内の空気環境にも気を配りましょう。